ED治療薬バイアグラの基礎知識~成分・効果・費用について

2026.02.12 ヘルスケア

「最近、思うようにいかないことが増えてきた」「パートナーとの時間に自信が持てない」――そんな悩みを抱えながらも、病院に行くのはハードルが高いと感じていませんか。

実は、ED(勃起不全)は決して珍しい症状ではありません。EDは年齢とともに有病率が上昇することが知られており、特に中高年以降では多くの男性が何らかの程度で経験する一般的な症状です1)。そして、多くのケースで適切な治療薬の服用によって改善が期待できるのです。

この記事では、ED治療薬として広く知られる「バイアグラ」について、その成分や効果、注意事項、そして気になる費用まで、医師の視点からわかりやすく解説します。正しい知識を持つことが、治療への第一歩となるはずです。

バイアグラとは?その成分と作用メカニズム

バイアグラは、1998年にアメリカで承認された世界初の経口ED治療薬です。日本では1999年に承認され、20年以上にわたって多くの男性に使用されてきました2)

有効成分は「シルデナフィルクエン酸塩」という物質で、血管を拡張させる作用を持っています。この成分が陰茎海綿体の血流を改善することで、勃起をサポートします。

効果を発揮するメカニズム

性的刺激を受けると、体内では一酸化窒素(NO)が放出され、陰茎海綿体の平滑筋が弛緩します。この時、環状グアノシン一リン酸(cGMP)という物質が増えて血管拡張を促進するのですが、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)という酵素がGMPを分解してしまいます。

バイアグラの主成分シルデナフィルは、このPDE5の働きを阻害することでcGMPの濃度を維持し、血流を改善します。つまり、自然な勃起のメカニズムをサポートします。

重要なポイントは、バイアグラは性的刺激がなければ効果を発揮しないということです。服用するだけで自動的に勃起が起こるわけではありません1)

バイアグラの用量と種類

日本で承認されているバイアグラには以下の用量があります

用量・剤形説明
25mg初回投与や体格の小さい方向け
50mg標準的な用25mg量
ODフィルム50mg口腔内で溶けるフィルムタイプ

医師の診察を受けて、あなたの体質や症状に合った用量が処方されます。自己判断での服用は避け、必ず医療機関で相談しましょう。

バイアグラの効果と服用方法

実際の効果はどの程度?

臨床試験では、バイアグラを服用した患者の約70%で勃起機能の改善が認められています1。ただし、効果の現れ方には個人差があり、服用環境や心理状態も影響します。

効果が現れるまでの時間は通常30分〜1時間程度で、効果の持続時間は約4〜5時間です。空腹時に服用すると吸収が早まり、効果が出やすくなります。

バイアグラの正しい服用方法

服用のタイミング:

  • 性行為の約1時間前
  • 空腹時推奨
  • 1日1回まで、24時間以上の間隔をあける

服用時の注意点

  • 水またはぬるま湯で服用
  • アルコールは少量に留める(過度の飲酒は効果を減弱)
  • 脂肪分の多い食事の直後は避ける(吸収が遅れるため) 

バイアグラが効きにくいケース

以下のような場合、バイアグラの効果が十分に得られないことがあります:

  • 重度の糖尿病や神経障害がある
  • 骨盤手術や放射線治療の既往がある
  • 心因性EDの要因が強い
  • 服用方法が適切でない

効果が感じられない場合は、服用方法の見直しや他の治療法の検討が必要です。自己判断で用量を増やすのは危険ですので、必ず医師に相談してください。

バイアグラの知っておくべき注意事項と副作用

バイアグラを服用できない方(禁忌)

バイアグラは以下の方には使用できません:

1. 硝酸剤またはNO供与剤を使用中の方

  • 狭心症の治療薬(ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど)と併用すると、血圧が急激に低下する危険があります。

2. 心血管系に重大な障害のある方

  • 最近3ヶ月以内に心筋梗塞を起こした方
  • 重度の心不全がある方
  • 不安定狭心症の方
  • コントロール不良の不整脈がある方

3. 低血圧または治療されていない高血圧の方

4. 網膜色素変性症の方

5. シルデナフィルに対して過敏症の既往がある方

バイアグラの主な副作用

バイアグラ服用時に報告されている副作用には以下があります:

よく見られる副作用:

  • 頭痛(約10〜15%)
  • ほてり・潮紅(約10%)
  • 消化不良(約5〜7%)
  • 鼻づまり(約4%)

その他の副作用

  • めまい
  • 視覚異常(色覚変化、光過敏など)
  • 背部痛
  • 筋肉痛

ほとんどの副作用は軽度から中等度で、一時的なものです。ただし、以下の症状が現れた場合は直ちに医療機関を受診してください。

医療機関を受診すべき症状

  • 胸痛や動悸
  • 4時間以上持続する勃起(持続勃起症)
  • 突然の視力低下や聴力低下
  • 重度のめまいや失神

併用注意の薬剤

以下の薬剤とは慎重な併用が必要です

  • CYP3A4阻害薬(一部の抗真菌薬、抗生物質など)
  • 他のPDE5阻害薬
  • αブロッカー(前立腺肥大症の治療薬など)
  • 降圧薬

持病があり他の薬を服用している方は、必ず医師に申告してください。

CYP3A4阻害薬は、薬物代謝に大きく関わる酵素の働きを阻害します。同等の作用のある「フラノクマリン」を含むグレープフルーツも、バイアグラの効果が強く出すぎたり副作用のリスクが高まる可能性があるので、注意が必要です。

 

バイアグラの価格・費用と効果時間、薬の選択肢

ED治療は保険適用外の自由診療

ED治療は基本的に保険適用外の自由診療となります。そのため、医療機関によって価格設定が異なります。これは病気の治療というよりも、生活の質(QOL)向上を目的とした治療と位置づけられているためです。

ED治療薬の他の選択肢、シアリスとバルデナフィル

シアリスは、2003年にアメリカで承認されたED治療薬で、有効成分は「タダラフィル」です。日本では2007年に承認されました。

※他剤との併用など詳細は医師にお尋ねください。

シアリスの用量

  • 10mg: 標準的な用量
  • 20mg: 効果が不十分な場合

効果の特徴

  • 効果発現時間: 約1〜3時間
  • 効果持続時間: 約24〜36時間
  • 「ウィークエンドピル」とも呼ばれ、長時間作用型
  • 食事の影響を受けにくい
  • 自然なタイミングでの性行為を希望する方に適している

バルデナフィルは、2003年にアメリカおよび欧州で承認されたED治療薬「レビトラ」の有効成分です。日本では2004年に先発薬レビトラとして承認されましたが、現在は先発薬の販売が終了しており、ジェネリック医薬品(バルデナフィル錠)のみが流通しています。

※他剤との併用など詳細は医師にお尋ねください。

※東京桜十字では本剤の取り扱いはありません。

バルデナフィルの用量

  • 10mg: 標準的な用量
  • 20mg: 効果が不十分な場合

効果の特徴

  • 効果発現時間: 約15〜30分
  • 効果持続時間: 約4〜8時間
  • 食事の影響を受けにくい
  • 少量の飲酒であれば効果が落ちにくく、アルコールとの相性が良い

ジェネリック医薬品という選択肢

2014年以降、バイアグラのジェネリック医薬品(後発医薬品)が発売されています。有効成分は先発品と同じシルデナフィルクエン酸塩ですが、価格は先発品の約3〜5割程度に抑えられています。

「効果は同じなの?」と心配される方もいますが、ジェネリック医薬品は先発品と同等の効果・安全性が確認されています。費用を抑えたい方は、医師に相談してみましょう。

バイアグラ、シアリス、シルデナフィル、バルデナフィルの一般的な価格

バイアグラ(先発品)参考価格
25mg1錠あたり約1,200~1,800円 ODフィルム50mg:
50mg1錠あたり約1,400~2,000円
ODフィルム25mg1枚あたり約1,000~1,400円
ODフィルム50mg: 1錠あたり約1,300~1,800円
シアリス(先発品)参考価格
10mg1錠あたり約1,600~2,200円
20mg1錠あたり約1,800~2,400円
シルデナフィル(ジェネリック医薬品)参考価格
25mg1錠あたり約600~1,100円
50mg1錠あたり約800~1,300円
バルデナフィル(ジェネリック医薬品、東京桜十字での取り扱いはございません)※先発品「レビトラ」は2021年に販売中止となりました。参考価格
10mg1錠あたり約1,100~1,700円
20mg1錠あたり約1,100~1,700円 1錠あたり約1,200~1,800円

バイアグラ、シアリス、シルデナフィルの価格(東京桜十字の場合)

バイアグラ(先発品)価格
25mg1錠あたり約1,300円
50mg1錠あたり約1,500円
ODフィルム25mg1枚あたり約1,100円
ODフィルム50mg1錠あたり約1,500円
シアリス(先発品)価格
10mg1錠あたり約1,700円
20mg1錠あたり約1,900円
シルデナフィル(ジェネリック医薬品)価格
25mg1錠あたり約700円
50mg1錠あたり約800円

この他、初診料(1,650円)やオンライン診療の場合はお薬の配送料(660円/回)が別途必要です。

※健康保険は適用されません。自費診療(自由診療)となります。

バイアグラに女性に対する効果は?

「バイアグラは女性にも効くの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。結論から言うと、バイアグラは女性に対して承認されておらず、使用は推奨されていません。

バイアグラの女性への効果に関する研究

バイアグラの有効成分シルデナフィルは、血流を改善する作用から、女性の性機能障害に対する効果も研究されてきました。しかし、複数の臨床試験において、閉経後女性の性機能障害に対する有意な効果は認められませんでした。

一部の研究では、抗うつ薬による性機能障害や特定の状況下で限定的な効果が示唆されていますが、現時点では女性に対する有効性と安全性は確立されていません3)

絶対にしてはいけないこと説明
興味本位での使用女性がバイアグラを服用すること
パートナーに無断で飲ませる違法行為であり、重大な健康被害を引き起こす可能性があります

女性の性機能障害についても、適切な医療機関での相談が必要です。自己判断での薬の使用や、承認されていない使い方は危険ですので、絶対に避けてください。

プライバシーに配慮した診療とオンライン診療

「EDのことを医師に話すのは恥ずかしい」「病院の待合室で知り合いに会ったらどうしよう」――こうした不安から、受診をためらう方は少なくありません。

しかし、EDは多くの男性が経験する一般的な症状です。医師にとっても日常的に診療している疾患の一つであり、決して特別なことではありません。

プライバシーへの配慮

東京桜十字では、ED診療におけるプライバシー保護に配慮しており、患者さんが安心して相談できる環境づくりに努めています。

  • 個室での問診
  • 予約制による待ち時間の短縮
  • 院外処方箋の活用
  • オンライン診療の提供

オンライン診療

上野御徒町桜十字クリニックでは、オンライン診療も行っています。対面での相談に抵抗がある方でも、自宅にいながら気軽に医師の診察を受けることができます。

オンライン診療の場合も、医師がしっかりと問診を行い、あなたに適した治療薬を処方します。薬は自宅に配送されるため、プライバシーも守られます。

>>上野御徒町桜十字クリニックのオンライン診療について

>>東京桜十字のED治療について詳しく見る

バイアグラについて、よくあるご質問

Q1. バイアグラは毎日飲む必要がありますか?

いいえ、バイアグラは必要な時だけ服用する「オンデマンド型」の治療薬です。性行為の約1時間前に服用し、1日1回まで、次の服用まで24時間以上の間隔を空ける必要があります。毎日服用する必要はありませんので、ご自身のペースで使用できます。

 

Q2. お酒を飲んでいても服用できますか?

少量のアルコールであれば問題ありませんが、過度の飲酒は避けてください。アルコールには血管拡張作用があり、バイアグラと併用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。また、過度の飲酒は勃起機能そのものを低下させるため、バイアグラの効果も減弱してしまいます。

適度な量(ビール中瓶1本程度、日本酒1合程度)に留めることをおすすめします。

 

Q3. ネット通販で購入しても大丈夫ですか?

絶対におすすめできません。個人輸入や海外通販サイトで販売されているED治療薬には、偽造品が多く含まれています。厚生労働省の調査では、インターネットで購入したED治療薬の約40%が偽造品だったという報告もあります。

偽造品には有効成分が含まれていない、有効成分の量が不適切、不純物や有害物質が混入しているといったリスクがあり、健康被害や命に関わる危険性があります。必ず医療機関で医師の診察を受けて処方してもらってください。

 

Q4. 他の病気の薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?

薬によって異なります。特に以下の薬とは併用できません:

絶対禁忌:硝酸剤(ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど)

併用注意:一部の降圧薬、前立腺肥大症の治療薬、抗真菌薬、抗生物質など

持病があり他の薬を服用している方は、必ず医師に申告してください。お薬手帳を持参すると確認がスムーズです。

 

Q5. 副作用が心配です。どのくらいの頻度で起こりますか?

主な副作用とその頻度は以下の通りです4)

・頭痛:約10〜15%

・ほてり・潮紅:約10%

・消化不良:約5〜7%

・鼻づまり:約4%

ほとんどの副作用は軽度から中等度で、一時的なものです。時間とともに軽減することが多く、日常生活に支障をきたすほどの副作用は稀です。

ただし、胸痛、4時間以上持続する勃起、突然の視力低下などが現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。

 

Q6. オンライン診療でも対面診療と同じ薬を処方してもらえますか?

はい、オンライン診療でも対面診療と同様に、医師がしっかりと問診を行い、適切な治療薬を処方します。

東京桜十字では、オンライン診療にも対応しており、

・自宅から気軽に相談できる

・プライバシーが守られる

・薬は自宅に配送される

・診察の質は対面と変わらない

といったメリットがあります。仕事が忙しい方や、対面での相談に抵抗がある方でも安心してご利用いただけます。

東京桜十字のED治療・オンライン診療については下記をご覧ください。

>>上野御徒町桜十字クリニックのオンライン診療について

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参考文献

  1. 日本性機能学会/日本泌尿器学会「ED診療ガイドライン」第3版, 2018
    https://www.jssm.info/guideline/files/EDguideine03_s.pdf
  2. ヴィアトリス製薬「バイアグラ錠 医薬品インタビューフォーム」
    https://www.viatris-e-channel.com/viatris-products/di/detail/assetfile/VIAGRA_Tab_OD_Film_IF.pdf
  3. Basson R, McInnes R, Smith MD, et al. “Efficacy and safety of sildenafil citrate in women with sexual dysfunction associated with female sexual arousal disorder.” J Womens Health Gend Based Med. 2002;11(4):367-377.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12150499/
  4. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品情報検索「バイアグラ錠 添付文書」
    https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/671450_2590018F1020_1_05

 

執筆: メディカルトリビューン編集部