大腸カメラを受けるべき人とは? 痛みや恥ずかしさ、前処置など、不安や疑問を解消する完全ガイド

大腸がんは日本人のがん罹患数で上位を占めますが、早期発見できれば多くの場合で命の危険のない病気です。大腸カメラは大腸がんの発見に最も確実な検査方法ですが、「痛そう」「恥ずかしい」「前処置が大変そう」という不安から受診をためらう方も少なくありません。

この記事では、どんな人が大腸カメラを受けるべきか、痛みや恥ずかしさへの対処法、検査前の準備の流れ、費用の目安まで、不安を解消するための情報を詳しく解説していきます。

なぜ今、大腸カメラが必要なのか

「大腸カメラって本当に受けなきゃダメ? 痛そうだし、恥ずかしいし、前処置や食事制限も大変そう…」

そんな不安を抱えている方は少なくありません。しかし、大腸がんは日本人のがん罹患数で男女ともに上位を占める疾患。非常に身近ではありますが、早期発見・早期治療ができれば多くの場合命の危険に至らない病気です1)

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸がんやポリープを直接観察し、必要に応じてその場で切除できる唯一の検査方法です。便潜血検査では見逃されがちな病変も発見でき、命を守るための最も確実な手段といえます。

この記事では、大腸カメラを受けるべき人の特徴から、痛みや恥ずかしさへの対処法、検査前の準備まで、不安を解消するための情報を医師監修のもとお届けします。

以前のコラム(2人に1人ががんになる時代―がん検診の目的と流れ、費用まで徹底解説)で述べましたが、現在法定の大腸がん検診は「便潜血2回法」が40歳以上の男女に年に1回行われています。この検査(免疫法)の感度(大腸がんやポリープで陽性となる確率)は84%、特異度(大腸がんでない人が陰性となる確率)は92%でした。すなわち、約16%のヒトはがん(早期を含む)やポリープがあっても便潜血は陽性とならないのです。

厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の令和5年(2023年)調査によると、大腸がん(「結腸の悪性新生物」「直腸S状結腸移行部および直腸の悪性新生物」)で治療を受けている総患者数は、56万3,000人(男性 30万1,000人、女性26万2,000人)で、前回(令和2年)の調査〔48万8,000人(男性 27万8,000人、女性21万人)〕より、95,000人も増加していました。大腸がんが心配な方、リスクが高いと思われる方々には大腸内視鏡をおすすめしたいと思います。

監修医師コメント

大腸カメラを受けた方がいい人・受けるべき人の特徴

大腸カメラは全員が毎年受ける必要はありませんが、以下に該当する方は大腸がん検診として積極的な受診が推奨されます。

年齢と家族歴からみた大腸がんリスクが高い方は、定期的に受けるべき

40歳以上の方は、年齢とともに大腸がんのリスクが上昇するため、定期的な大腸カメラ検査を受けた方がいいとされています。日本消化器がん検診学会のガイドラインでも、40歳を目安とした大腸がん検診開始が推奨されています2)

特に以下の条件に当てはまる方は、より早い段階での大腸カメラ検査の受診を検討すべきです。

注意すべきタイプ内容
家族に大腸がんの既往がある方1~2親等(親・祖父母・兄弟)に大腸がんの方がいる場合、発症リスクは約2〜3倍に上昇します
血縁者が若年(50歳未満)で大腸がんを発症した方遺伝的要因が強い可能性があり、より早期からの検査が必要です

症状がある方は年齢に関係なく大腸カメラ受診を

以下の症状がある場合、年齢を問わず早急に大腸カメラを受けることをおすすめします。

  • 血便や便に血が混じる
  • 便が細くなった
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 原因不明の腹痛が続く
  • 体重が急激に減少した
  • 貧血を指摘された

これらの症状は大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患などのサインである可能性があります。

便潜血検査で陽性だった方は大腸カメラを受けるべき

健康診断や人間ドックで便潜血検査が陽性になった場合、必ず精密検査として大腸カメラを受けるべきです便潜血検査および内視鏡検査で死亡率減少効果が認められていると報告されています3)

「少しの出血だから大丈夫」と自己判断せず、医療機関を受診することが重要です。

生活習慣からみたリスクがある方も、定期的な大腸カメラを

以下のような生活習慣がある方も、大腸がんのリスクが高いため定期的な大腸カメラ検査を検討しましょう。

  • 肉類中心の食生活
  • 野菜や食物繊維の摂取不足
  • 飲酒習慣がある(特に1日あたり日本酒換算で2合以上)
  • 喫煙している、または過去に喫煙していた
  • 肥満(BMI25以上)
  • 運動不足

元々、日本人には胃がんが多く、大腸がんは欧米人に比べて少ない傾向がありました。しかし、ハワイやブラジルに移住した日本人に大腸がんが多く発生したと報告され、生活習慣との関係が研究されるようになり、そして上記のようなリスクが次々と明らかになりました。

そして今ではアメリカ人に比べて日本人の方が人口割合に占める大腸がん死亡者が多くなり、その差は悪い方向で開く傾向(日本人は増加、米国人では減少)となっています。これは、日本人の食の欧米化に加え、米国人が大腸がんを「自分ごと」として捉え、高い検診受診率と精検率を確保しているためといえます。例えば、2019年の日本における大腸がん検診受診率が44.2%であったのに対し、米国では67.5%でなんと20%以上の開きがあります。

監修医師コメント

大腸カメラ検査前の準備:前処置と食事についての注意点

大腸カメラを敬遠する理由の多くは「前処置や食事制限が大変そう」と感じてしまう点にあります。確かに準備は必要ですが正しく理解すればスムーズに進められます。

検査前日の食事についての注意点

検査前日は、消化の良い低残渣食を摂取します。これは大腸内をきれいにするための重要なステップです。受診施設によっては、専用の検査食が配られる場合もあります。

食べて良いもの

  • 白米のおかゆ
  • うどん(柔らかく煮たもの)
  • 白身魚
  • 豆腐
  • 卵料理(スクランブルエッグなど)
  • アルコール(薄めで少量なら可)

避けるべきもの

  • 海藻類、きのこ類
  • ごぼう、れんこんなどの繊維質の多い野菜
  • 果物(特に種のあるもの)
  • アルコール

夕食は午後8時までに済ませ、その後は水、お茶のみ摂取可能です。

検査当日の前処置

検査当日の朝から、腸管洗浄液を飲む前処置が始まります。

一般的な流れ

  1. 朝食は摂らず、水分のみ
  2. 指定された時間から洗浄液(約2リットル)を2〜3時間かけて飲む
  3. 数回トイレに行き、透明な排泄物になれば準備完了

最近は飲みやすく改良された洗浄液や、服用量が少ないタイプも登場しています。また、医療機関によっては自宅ではなく施設内で前処置を行えるところもあります。

前処置を楽にするコツと注意点

  • 洗浄液は冷やすと飲みやすい
  • トイレに近い場所で過ごす

検査前の注意点

検査数日前から以下の点に注意しましょう。

注意点内容
常用薬の確認抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用している方は、事前に医師に相談が必要です
アレルギーの申告 麻酔薬や鎮静剤にアレルギーがある場合は必ず伝えましょう
検査後の予定調整鎮静剤を使用する場合、当日の車やバイク、自転車の運転は避けてください

大腸カメラの痛みや恥ずかしさの不安を解消する

大腸カメラへの最大の心理的ハードルは「痛み」と「恥ずかしさ」でしょう。しかし、現代の医療技術や内視鏡検査技術の進歩と配慮により、これらの不安はかなり軽減されています。痛みや恥ずかしさを苦痛に感じ、これまで検査を受けてこなかったという人も、ぜひ一読してみてください。

痛みや苦痛への対処

鎮静剤・鎮痛剤の使用(セデーション)

多くの医療機関では、希望者に鎮静剤を使用し、意識レベルを下げる処置(セデーション)の上検査を行います。ウトウトとした状態で大腸カメラを受けられるため、痛みや不快感などの苦痛をほとんど感じないことがほとんどです。検査後30分〜1時間程度で目が覚めます。鎮静剤を使わない場合でも、必要に応じて鎮痛剤を使用できます。
※セデーションを実施した場合、車やバイク、自転車の運転は控える必要があります。

内視鏡検査技術の進歩

技術の進歩メリット
細径スコープ従来より細い内視鏡により、挿入時の負担が軽減
空気の代わりに炭酸ガス検査後のお腹の張りが大幅に減少
熟練した医師の技術無理な力をかけず、スムーズに挿入
優秀な技師や看護の介助不安や恥ずかしさに寄り添い、楽な検査が可能に

実際、鎮静剤を使った検査を受けた方の多くが「苦痛があるのではと身構えていたが、思ったより楽だった」と回答しています。

大腸カメラ時の痛みの原因と個人差

大腸カメラで痛みを感じる主な原因は以下の通りです。

  • 大腸の曲がり角(屈曲部)を通過する際の圧迫感
  • 空気を入れることによる張り感
  • 腸の癒着や過去の手術歴

痛みの感じ方には個人差があり、腸の形状や腹部手術の既往によっても変わります。苦痛が不安な方は、事前に医師に相談し、鎮静剤の使用を検討しましょう。

大腸内視鏡の検査機器や検査用試薬(下剤など)は日進月歩で進化しており、検査全般における苦痛は一昔前と比較して明らかに軽減しています。しかしながら、鎮静剤を用いても多少の圧迫感や空気を入れて観察するための膨満感をゼロにすることはできません。また腸管の走行はヒトによって千差万別であり、痩せが強いヒトは腸管が急な角度で折りたたまれているため、圧迫感を感じるヒトが多いとされています。さらに手術や重い腸炎などの既往を持つヒトは、腹腔内に癒着が生じており、挿入が困難なこともあります。

しかし検査は貴重な機会であり、受けて異常を察知する、あるいは異常がないことを確認するメリットは大きいといえます。大切なのは事前の注意などを確実に守り、できるだけ体調を整えて検査に臨むこと。そして医療スタッフを信頼して、リラックスして検査を受けることです。「病気は怖い、でも検査は怖くない!」という心構えが重要です。

監修医師コメント

大腸カメラ時の恥ずかしさへの配慮

検査着とプライバシー保護

大腸カメラ検査では、専用の検査着(後ろが開いたズボンタイプ)を着用します。タオルで適切に覆われるため、思ったほど恥ずかしくありません。

また、多くの施設では以下のような配慮がなされています。

  • 女性専用の検査枠や女性スタッフの配置
  • 個室での着替えと準備
  • 検査中の声かけとサポート

医療スタッフの視点

医療スタッフは日常的に多くの検査を行っており、専門的な視点で対応しています。受診者さまが感じるほどの「恥ずかしさ」を医療者側が意識することはありません。

どうしても不安な場合は、予約時に「女性医師希望」「女性看護師のみ希望」などのリクエストができる施設もあります。東京桜十字では、城山ガーデン桜十字クリニックで女性医師対応を行っています。

大腸カメラの検査中・検査後のお腹の張りへの対処

大腸カメラで「痛み」と並んでよく聞かれる苦痛・不快感が、お腹の「張り」です。検査中や検査後に膨満感を経験する方は少なくありませんが、適切な対処により軽減できます。

なぜお腹が張るのか

大腸カメラ検査では、腸の内部を広げて観察しやすくするため、空気や炭酸ガスを注入します。この気体により、お腹が膨らんだような感覚や圧迫感が生じます。

特に検査中は、腸の屈曲部を通過する際に一時的に空気量が増えるため、張りを強く感じることがあります。

炭酸ガスの使用で張りが大幅に軽減

従来は空気を使用していましたが、現在多くの医療機関では炭酸ガス(CO2)送気を採用しています。

炭酸ガスは体内に吸収されるスピードが空気の約200倍早く、検査後の腹部膨満感が大幅に軽減されます。実際、炭酸ガスを使用した場合、検査後1〜2時間でほとんどの張りが解消されます。

空気を使用した場合は、検査後数時間〜半日程度、お腹の張りが続くことがありますが、炭酸ガスではこの不快感がほとんどありません。

検査後の張りへの対処法

それでも検査後に多少の張りを感じる場合は、以下の方法で緩和できます。

すぐにできる対処法

対処法ポイント
ゲップやおならを我慢しない恥ずかしがらず積極的に排出しましょう。医療スタッフも理解しています
軽く体を動かす回復室で横になった後、可能であれば軽く歩くと腸の動きが活発になり、ガスが排出されやすくなります
お腹を軽くマッサージ時計回りに優しくさすると効果的です
温かい飲み物を摂る腸の動きを促進し、リラックス効果もあります

避けるべき行動と注意点

  • 炭酸飲料の摂取(さらにガスが溜まります)
  • 検査直後の大量の食事
  • 長時間同じ姿勢でいること

張りが強い・長引く場合は相談を

通常、大腸カメラ検査後の張りは数時間以内に自然に治まります。しかし、以下のような場合は医療機関に連絡しましょう。

  • 翌日になっても強い張りが続く
  • 張りとともに激しい腹痛がある
  • 発熱を伴う
  • 吐き気や嘔吐がある

これらは稀ですが、腸管穿孔などの合併症の可能性もあるため、早めの相談が重要です。

大腸カメラで何がわかる?検査のメリット

大腸カメラ検査の目的は単に「がんを見つける」だけではありません。受けることで得られるメリットは多岐にわたります。

大腸カメラで早期発見・早期治療が可能

大腸がんの早期発見

大腸がんは早期(ステージ0〜I)で発見すれば、5年生存率が非常に高い治癒率を示します4)。一方、進行してから発見された場合は治療が複雑になり、生存率も低下します。このため、大腸がん検診は非常に重要な役割を果たします。

大腸カメラは、粘膜表面の微細な変化も直接観察できるため、最も確実な早期発見手段です。

ポリープの切除

大腸ポリープ(腺腫)の多くは、放置すると数年〜10年程度でがん化する可能性があります。大腸カメラでは、検査中に発見したポリープをその場で切除できます。

これにより、切除した組織が良性であった場合、将来的ながん化を予防でき、「検査と治療が同時に完了する」という大きなメリットがあります。悪性または悪性疑いであった場合は、適切な治療や経過観察へのスムーズな移行が可能です。

他の疾患の発見

大腸カメラでは以下のような疾患も診断できます。

疾患大腸カメラで行えること
潰瘍性大腸炎・クローン病炎症性腸疾患の診断と経過観察
大腸憩室症憩室炎や出血の原因確認
虚血性腸炎血流障害による炎症
大腸ポリープ腺腫性、過形成性など複数の種類を鑑別

安心感という心理的メリット

「大腸カメラを受けたけど、何も見つからなかった」。そんな結果にも、非常に大きな価値があります。不安を抱えながら過ごすよりも、検査を受けて「問題ない」と確認できることで、心の負担が大きく軽減されます。

特に家族歴がある方や、年齢的にリスクが気になる方にとって、定期的な検査は安心材料となります。

大腸カメラを受けるための具体的なステップ

ここまで読んで「大腸カメラを受けてみようかな」と思った方のために、実際の受診の流れをご紹介します。

大腸カメラを受診する医療機関の選び方

大腸カメラは以下のような施設で受けられます。

大腸カメラを受けられる施設の種類内容
消化器内科クリニック内視鏡専門医が在籍し、日帰り検査が可能
総合病院・健診センター 設備が充実、必要時すぐに精密検査が可能
人間ドック・健診施設

施設を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • 消化器内視鏡専門医が在籍しているか
  • 鎮静剤の使用が可能か
  • 検査実績が豊富か
  • アクセスの良さ、予約の取りやすさ

東京桜十字のクリニックの大腸カメラ検査では、経験豊富な専門医による丁寧な検査と、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査を提供しています。検査前の相談から検査後のフォローまで、安心して受けられる体制を整えています。

1.予約・問診
電話やWebで予約し、事前問診票を記入します。常用薬やアレルギー、過去の病歴などを正確に記載しましょう

2.検査前日
消化の良い食事を摂り、夜8時以降は水分のみにします。

3.検査当日

  • 自宅または施設で前処置(洗浄液の服用)
  • 検査着に着替え
  • 点滴・鎮静剤投与
  • 検査(15〜30分程度)
  • 回復室で休憩(30分〜1時間)
  • 結果説明

4.検査後 鎮静剤を使った場合、当日の車・バイク・自転車の運転は控えてください。検査後数時間は安静に過ごし、軽い食事から始めましょう。

大腸カメラの費用の目安

大腸カメラの費用は、検査の種類や保険適用の有無によって異なります。

保険診療(症状がある場合、便潜血陽性など)3割負担で5,000〜8,000円程度(ポリープ切除がある場合は2〜3万円程度)
人間ドック・健診での任意受診15,000〜30,000円程度

費用が気になる方は、事前に医療機関に確認することをおすすめします。

大腸カメラについてのよくある質問

Q1: 大腸カメラはどのくらいの頻度で受ければいいですか?

A: 異常が見つからなかった場合、一般的には3〜5年ごとの検査が推奨されます。ただし、以下の場合はより短い間隔が必要です。

  • ポリープを切除した方:1〜2年後
  • 家族歴がある方:2〜3年ごと
  • 炎症性腸疾患の方:1年ごと

医師の指示に従って適切な間隔で受診しましょう。

Q2: 生理中でも大腸カメラは受けられますか?

A: 基本的には生理中の検査も可能ですが、出血量が多い場合は検査の見え方に影響する可能性があります。予約時に相談し、可能であれば生理期間を避けるとよいでしょう。

Q3: 検査後すぐに仕事や日常生活に戻れますか?

A: 鎮静剤を使わない場合は、検査直後から通常の生活が可能です。鎮静剤を使用した場合は、検査後2〜3時間は安静にし、当日は激しい運動や重要な判断を要する業務は避けましょう。アルコールの摂取も控えてください。

Q4: 大腸カメラとバリウム検査の違いは?

A: バリウム検査(注腸造影検査)はX線で大腸の形状を確認する検査ですが、大腸カメラは内視鏡で粘膜を直接観察できます。大腸カメラの方が小さな病変の発見精度が高く、異常が見つかった場合その場で組織を採取したり、ポリープを切除したりできる点が大きな利点です。現在、精密検査としては大腸カメラが標準となっています。

Q5: 胃カメラと同時に受けられますか?

A: 可能です。多くの医療機関では、胃カメラ(上部内視鏡)と大腸カメラ(下部内視鏡)を同日に行う「上下部同日内視鏡検査」を実施しています。一度の前処置と鎮静で両方の検査を終えられるため、時間的・身体的負担が軽減されます。ただし、検査時間が長くなるため、体調や年齢によっては別日での実施を勧められる場合もあります。予約時に相談してみましょう。

Q6: 検査で異常が見つかった場合、その日のうちに結果がわかりますか?

A: 検査で観察した内容については、検査後すぐに医師から説明があります。ポリープの有無や大腸の状態など、目で見てわかる所見はその場で確認できます。ただし、組織を採取して病理検査に出した場合は、詳細な診断結果が出るまで1〜2週間程度かかります。この場合、後日再診して結果を聞くか、郵送や電話で結果報告を受ける形になります。

Q7: ポリープが見つかったら、必ず切除しなければいけませんか?

A: ポリープのサイズや形状により判断されます。5mm以下の小さなポリープは経過観察の場合もありますが、腺腫性ポリープは将来的ながん化のリスクがあるため、多くの場合切除が推奨されます。

まとめ:大腸カメラで未来の健康を守る

大腸カメラは「怖い」「恥ずかしい」というイメージが先行しがちですが、実際には現代の医療技術により、快適に受けられる検査になっています。

この記事のポイント

  • 40歳以上、家族歴がある方、便潜血陽性の方は特に受診を検討すべき
  • 鎮静剤の使用で痛みや苦痛は大幅に軽減される
  • 検査着とプライバシー配慮で恥ずかしさも最小限
  • 早期発見により多くの場合で治療可能
  • ポリープの同時切除でがん予防が可能

「いつか受けよう」と先延ばしにせず、今年こそ一歩を踏み出してみませんか。あなたの決断が、10年後、20年後の健康を左右するかもしれません。

2022年に大腸がん(「結腸および直腸の悪性新生物」)で死亡したヒトの数は5万3,088人(男性28,099人、女性24,989人)、死亡率は10万人あたり43.5人(男性47.4人、女性39.8人)でした。がん情報サービスホームページに掲載される2021年のデータでは、男女合わせた部位別罹患順位で大腸がんは1位(性別では男女とも2位)、死亡順位は男女合計で第2位(男性2位、女性1位)でした。そして厚生労働省の「国民医療費の概況」によると、令和4年度(2022)の大腸がん(結腸および直腸の悪性新生物)での医療費は5,872億円を占め、全てのがんによる医療費(4.4兆円)の1割以上を占めたとされています。

しかし大腸がんは、自分の意識で早期に発見して治療に導くことが可能で、事実アメリカでは患者さんが減っているのです。現代の日本においては、自分が望めば検査は難なく受けられます。自分の身体は自分で守る!! ぜひ大腸がん検診を怠りなく実行し、ご自身の「未来の健康を守る」でお願いいたします。

監修医師コメント

大腸カメラを含む人間ドックを受けましょう

東京桜十字のクリニックでは、大腸カメラを含む総合的な人間ドックを提供しています。経験豊富な専門医による丁寧な検査と、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査で、安心して受診いただけます。

東京桜十字の検査メニューはこちら

関連記事・リンク

・大腸がん検診の種類と特徴
https://www.sakurajyuji-healthcare.jp/column/3868/

・初めての大腸カメラ 検査の流れや注意点
https://www.sakurajyuji-healthcare.jp/column/3928/

・人間ドック(正式名称:健保連人間ドック健診)とは?検査項目・費用・受診年齢を医師が解説
https://www.sakurajyuji-healthcare.jp/column/10686/

参考文献

1) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(最新がん統計)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

2) 日本消化器がん検診学会「大腸がん検診マニュアルー2021年度改訂版」
https://www.jsgcs.or.jp/files/uploads/d_manualbook2021.pdf

3) 日本消化器病学会「大腸ポリープ診療ガイドライン2020」
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/CPGL2020_.pdf#page=34

4) 国立がん研究センター中央病院「大腸がんのステージ(病期)について」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/160/index.html

 

監修医師:東海大学医学部健康管理学領域 主任教授/大学院医学研究科ライフケアセンターセンター長
日本総合健診医学会 理事長.国際健診学会(IHEPA)理事長
桜十字グループ 予防医療事業部 研究・教育・医療サービス開発担当 主管医師
西﨑 泰弘

執筆:メディカルトリビューン編集部