健康診断を受け忘れてた!どうする?ペナルティは?会社への連絡と対処法を徹底解説

仕事の忙しさや予定の重なりで、気づいたら健康診断の日を過ぎていた。そんな経験はありませんか?
「健康診断を忘れてた!」と気づいた瞬間は、誰でも焦りを感じるものです。「どうする?どうなる?」「会社に怒られるかも」「ペナルティがあるのでは」と不安になる方も少なくありません。しかし、大切なのは落ち着いて適切に対処することです。
健康診断は法律で定められた義務であると同時に、あなたの健康を守る重要な機会でもあります。受け忘れても、早めに行動すれば問題なく受診できるケースがほとんど。この記事では、健康診断を受け忘れた際の具体的な対処法から、ペナルティの有無、そして健康診断を受診する意義まで詳しく解説します。
「健康診断を忘れてた!」そんな時はどうする?
まずは会社の担当部署に連絡する
健康診断を受け忘れたことに気づいたらどうするべきか、気になりますよね。まずは、できるだけ早く会社の人事部や総務部、健康管理担当者に連絡しましょう。
連絡時に伝えるべき内容は以下の通りです。
- 受診予定日を失念していたこと
- 改めて受診したい旨
- 受診可能な日程の希望
電話やメールで連絡する際は、謝罪の言葉を添えつつ、前向きに受診する意思を明確に伝えることが大切です。多くの担当者は、正直に報告して受診する意思を示す従業員に対して、協力的に対応してくれます。
連絡時の文例
実際にどのような文面で連絡すればよいか迷う方も多いかもしれません。以下に参考例を示します。
件名:健康診断の受診について(再予約のお願い)
○○部 ○○様
お疲れ様です。△△部の□□です。
大変申し訳ございませんが、○月○日に予定されていた健康診断を失念しており、受診できませんでした。
誠に恐縮ですが、改めて受診させていただきたく存じます。○月下旬から○月上旬の平日であれば受診可能です。
ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、再予約の手続きについてご教示いただけますでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。
リスケジュール方法を確認する
会社によって健康診断の実施方法は異なります。どうするべきか、実施方法別の再予約方法についてご説明します。
社内実施の場合
限られた日程での実施となるため、追加日程が設定されているか確認しましょう。多くの企業では、予備日や追加受診日を設けています。ただし、社内実施の場合は受診できる人数に制限があることも多いため、早めの連絡が肝心です。
外部健診機関利用の場合
個別に健診センターや病院で受診できるケースが多く、比較的柔軟に日程調整が可能です。会社から指定された健診機関に直接連絡し、予約を取りましょう。その際、会社から発行される受診券や整理番号が必要になることがありますので、事前に確認しておきましょう。
桜十字グループのクリニックでは、企業健診の個別受診にも対応しています。平日だけでなく土曜日の受診も可能なため、仕事の都合に合わせやすい環境が整っています。
健康診断の受診に必要な持ち物を再確認
改めて受診する際は、以下のものを忘れずに持参しましょう。
- 健康保険証
- 受診票(会社から配布されている場合)
- 問診票(事前記入が必要な場合)
- 前回の健診結果(継続受診の場合)
- 指定された尿検体キット、便検体キット
受診票や問診票は再発行できることが多いので、紛失した場合は会社に相談してみましょう。特に便検体や尿検体は、検査前日や当日の朝に採取する必要があるため、採取方法や提出タイミングを事前に確認しておくことが大切です。
よくある「健康診断受け忘れ」のパターンと予防策
健康診断を受け忘れてしまう原因はさまざまです。ここでは、よくあるパターンとその予防策をご紹介します。
パターン1:案内メールを見逃した
多忙な日々の中で、健康診断の案内メールが他のメールに埋もれてしまい、気づいたら期限が過ぎていたというケース。
健康診断を受け忘れないための予防策
- 健康診断関連のメールは専用フォルダに自動振り分けする
- 案内が来たらすぐにカレンダーに予定を入れる
- スマートフォンのリマインダー機能を活用する
パターン2:予定を入れたが当日忘れた
カレンダーには記入したものの、当日の朝にうっかり忘れてしまったケース。
健康診断を受け忘れないための予防策
- 前日と当日朝の2回、リマインダーを設定する
- 受診票や保険証など必要なものを前日に準備しておく
- 家族や同僚に声をかけてもらう
パターン3:繁忙期で行く時間がなかった
仕事が立て込んでいて、健康診断に時間を作れなかったケース。
健康診断を受け忘れないための予防策
- 年度初めに健康診断の時期を確認し、繁忙期を避けて早めに予約する
- 土曜日受診が可能な医療機関を選ぶ
- 上司に事前に相談し、受診時間を業務時間として確保してもらう
パターン4:体調不良で受診できなかった
受診日に体調を崩してしまい、そのまま再予約を忘れてしまったケース。
健康診断を受けられなかったときの対応策
- 感染症などで事前に受診が難しいことがわかった時点で、早めに連絡を入れる
- 体調不良で受診できなかった場合は、その日のうちに再予約の連絡を入れる
- 会社の担当者に状況を報告し、再予約をサポートしてもらう
来年以降のために:健康診断を忘れないコツ
一度受け忘れた経験を活かして、来年以降は確実に受診できるよう対策を立てましょう。
| 方針 | 対策 |
|---|---|
| 年初に健康診断の予定を立てる | 新年度が始まったら、まず健康診断の時期を確認し、大まかな予定を立てておきましょう。 |
| 複数の通知システムを利用する | スマートフォンのカレンダーアプリ、リマインダー、メールの自動送信など、複数の方法で自分に通知が届くようにしておきます。 |
| ルーティン化する | 毎年同じ時期、同じ曜日に受診するなど、習慣化することで忘れにくくなります。 |
| 家族と情報共有する | 家族にも健康診断の予定を伝えておくことで、当日のリマインドをしてもらえる環境を作りましょう。 |
健康診断を忘れてたら、ペナルティはどうなる?
健康診断は、会社と従業員、双方に課される義務
健康診断は労働安全衛生法によって定められた制度です。事業者には年1回の定期健康診断実施義務があり、従業員には受診義務があります1)。
ただし、従業員が受診しなかった場合の直接的な罰則規定は設けられていません。一方で、事業者が健康診断を実施しなかった場合には、罰則が科される可能性があり、その負担は全て事業所が負います2)。
受け忘れによるペナルティは基本的にない
健康診断を忘れていた多くの方が「どうなるの?」と心配されるペナルティですが、法律上、従業員個人に対する罰金や処分は定められていません。
ただし、会社の就業規則によっては以下のような措置が取られる場合があります。
- 再受診の催促
- 未受診理由の報告義務
- 始末書の提出
- 人事評価への影響
これらはあくまで社内規定によるものであり、会社ごとに異なります。大切なのは、受け忘れたことを放置せず、受診しようとする誠実な姿勢です。
会社が困る理由を理解しておこう
従業員が健康診断を受けないことで、実は会社側にも大きな影響があります。労働基準監督署への報告義務や、従業員の健康管理責任という観点から、未受診者がいることは企業にとってリスクとなります。
また、従業員が100人を超える事業場では、産業医の選任が義務付けられており、健康診断の結果を基に産業医が健康管理を行います。未受診者がいると、適切な健康管理体制が整っていないと判断される可能性もあるのです。
このような背景を理解した上で、受診を前向きに捉えることが大切です。
健康診断の受診義務は、従業員の健康を守るための制度です。受け忘れた場合でも、早めに相談していただければ代替日程の調整が可能なケースがほとんど。受け忘れたまま放置することの方がリスクが高いため、気づいた時点で速やかに連絡し、受診予約することをおすすめします。
―監修者コメント
遅くなっても健診受診のメリットの高さは変わらない
受け忘れても受診する価値は変わらない
「今年は健康診断を忘れてた。もう、来年でいいか」と考えてしまう気持ちは理解できます。しかし、健康診断受診の最大の目的は、早期発見・早期治療です3)4)。
1カ月遅れても半年遅れても、受診することで以下のメリットが受けられます。
遅れても健診を受審するメリット
- 生活習慣病の兆候を早期に検知できる
- がんなどの重大疾患の早期発見につながる
- 健康状態を客観的に把握できる
- 今後の健康管理の基礎データとなる
まとめ:今からでも遅くない、健康診断を受けよう
「健康診断を受け忘れた!どうするべき?」
焦る必要はありません。大切なのは以下の3つのステップです。
健康診断を受け忘れないための3ステップ
- すぐに会社の担当部署に連絡する⇒誠実な姿勢が信頼回復につながります
- リスケジュールして必ず受診する⇒あなたの健康を守るための重要な機会です
- リスケジュールして必ず受診する⇒カレンダーへの登録やリマインダー設定で再発防止を
健康診断は、病気の早期発見だけでなく、現在の健康状態を知り、今後の生活習慣を見直すきっかけにもなります。受診後に精密検査が必要になった場合でも、桜十字グループのような総合的な医療体制が整った施設であれば、スムーズに受診できます。
「受け忘れた」という事実は変えられませんが、「今から行動する」ことは誰にでもできます。あなたの健康のために、今日から一歩を踏み出しましょう。
健康診断に関するお問い合わせ
東京桜十字グループでは、企業健診の個別受診や人間ドックを随時受け付けています。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
関連リンク
参考文献
1)厚生労働省「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001325703.pdf
2)厚生労働省「労働安全衛生法に基づく一般健康診断について」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2210_03medical/230424/medical11_0103.pdf
3)政府広報オンライン「生活習慣病とは?予防と早期発見のために定期的な受診を!」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201402/1.html
4)厚生労働省広報誌「厚生労働」早期発見・早期治療につなげるために 正しく知ろう!がん検診
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202301_00001.html
監修:桜十字グループ予防医療事業本部 VIP専任シニアマネージャー 石﨑竜太郎
執筆:メディカルトリビューン編集部