乳がん検査は本当に痛いのか:マンモグラフィの痛みの理由・流れ・費用をわかりやすく解説

乳がん検査を受けないリスク:なぜ今、必要なのか

「乳がん検査って痛いって聞くけど、実際どうなの?」「どのくらい時間がかかるの?」「費用はいくら?」「健康診断で乳がん検査を受けていなくてちょっと不安…」そんな疑問や不安から、検診を先延ばしにしていませんか。

実は、乳がん検査に対する多くの不安は、具体的な情報を知ることで和らぐことが少なくありません。この記事では、20〜60歳代の一般女性や乳がん検査を受けたことがない方やしばらく乳がん検査を受けていない方、乳がん検査の費用や内容を詳しく知りたい方に向けて、検診の実際を詳しくお伝えします。

あなたに合った乳がん検査をチェックしてみましょう。

乳がん検査による早期発見が命を救う

日本人女性の9人に1人が生涯で乳がんにかかる時代です。2020年度には年間約9万人が新たに乳がんと診断されており、女性がかかるがんの中で最も多いがんとなっています1)。しかし、早期発見できれば90%以上が治癒可能とされています。

検査を受けない最大のリスクは、発見が遅れることです。自覚症状が出てからでは、すでに進行している可能性があります。一方、定期的な検査で見つかる乳がんの多くは早期段階で、治療の選択肢も広く、体への負担も少なくて済みます。

他のがんとは異なり、乳がんは30歳代という若い年齢から罹患率が高くなる特徴があります。特に40歳代後半から60歳代前半の女性に多く見られるため、この年齢層の方は特に注意が必要です。

「乳がん検診」は、ほとんどの先進国で公費を割いてマンモグラフィを用いて行われています。日本では40才以上に2年に1回、問診とマンモグラフィにより実施することが法律で定められています(後述)。年齢制限は有りませんが、乳がんリスクが低下する70才以上は、行うメリットが行わないデメリットより下、すなわち労力やリスクとの対比上、意義が薄いため推奨されません。

英国、フランス、ドイツ、アメリカは50才以上からで、上限は69から74才とばらつきはあるものの明確に設定されています。3年に一度の国もあり(毎年の国はありません)、日本が各国と比較して如何に手厚い国であるかが良く分かります。そんな恵まれた環境にも関わらず、乳がん検診の受診率は世界最低レベルで、2019年の統計では44.6%でした。因みに英国は70.0%、フランス 70.0%、ドイツ 65.7%、アメリカ76.5%で、我が国が群を抜いて低い事が良く分かります。

厚生労働省WEBサイト:
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001132584.pdf

―監修医師コメント

遺伝要因と乳がんのリスク

がんは一般的に遺伝性が比較的強いがんと考えられおり、2013年に当時37才の米国人俳優アンジェリナジョリーさんが手術で乳腺を切除したことが話題になりました。一方、相対的には遺伝に依らない発症の方がむしろ多く、リスク要因として、肥満、アルコール、経口避妊薬、閉経後の女性ホルモン補充療法、未出産、良性疾患である乳腺症の経験者が知られていま2)

乳がん検査の種類と特徴:マンモグラフィとエコーの違い

以前は視診、触診も法定健診に入っていた乳がん検診ですが、現在では画像診断が主流になり、主にマンモグラフィ検査と乳腺超音波検査(エコー検査)の2つがあります。それぞれに特徴があり、年齢や乳腺の状態によって適した検査方法が異なります。

マンモグラフィ検査の特徴

マンモグラフィは、乳房専用のX線撮影装置を使用した画像診断検査です。乳房を透明なプラスチック板で挟んで圧迫し、X線を照射することで乳房内部の構造を映し出します。

メリット

  • 触診では発見しづらい5mm以下の微小な病変も描出できる
  • 石灰化病変(早期がんの兆候)の発見に優れている
  • 過去の画像と比較して経過観察ができる

注意点

  • 乳房を圧迫するため、痛みを感じる場合がある
  • 乳腺が発達している若年層では、病変が見えにくい場合がある
  • わずかながら放射線被ばくがある(約0.1〜0.5mSv、胸部X線検査の約2〜10倍だが、医学的に安全な範囲)

乳腺超音波検査(エコー検査)の特徴

乳房に超音波を発信する装置を当て、反射波を画像化して乳房内の腫瘍の有無や大きさを調べる検査です。

メリット

  • 痛みがほとんどない
  • 放射線被ばくがない
  • 乳腺が発達している若年層の方でも病変を発見しやすい
  • しこりの性状(良性・悪性の鑑別)に有用

注意点

  • 微小な石灰化病変の検出はマンモグラフィに劣る
  • 検査技師の技量に左右される面がある

年齢別の推奨検査方法

厚生労働省のがん検診指針では、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィ検査を推奨しています3)。これは国際的にも標準的な検診間隔とされており、科学的根拠に基づいた推奨です。

  • 40歳未満:エコー検査を中心に、必要に応じてマンモグラフィを追加
  • 40歳以上:マンモグラフィ検査を基本に、エコー検査を併用するとより精度が高まる
  • 高リスク群(家族歴がある方など):より頻回な併用検診や遺伝子検査を検討

東京桜十字では、マンモグラフィとエコーの併用検診が可能で、総合的な乳がん検査を提供しています。

乳がん検査の痛み:マンモグラフィが「痛い」と言われる理由と実際

なぜマンモグラフィで痛みを感じるのか

マンモグラフィ検査で最も一般的に「痛い」と言われるのは、乳房を透明な板で挟んで圧迫する圧痛によるものです。

なぜ圧迫が必要なのでしょうか。それは、乳房を薄く均一に広げることで、少ないX線量で鮮明な画像が撮影でき、小さな病変も見逃さないためです。圧迫しないと、乳房の厚みで奥の組織が見えにくくなってしまいます。

マンモグラフィの実際の痛みのレベル

痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方は「少し圧迫される感じ」「違和感はあるが耐えられる」程度と表現されます。検査技師も痛みを最小限にする工夫をしていますし、もし我慢できないほど痛い場合は、その場で伝えれば調整してもらえます。

痛みを感じやすい条件もあります。生理前は乳房が張りやすく、痛みを感じやすいため、生理後1週間程度が検診のベストタイミングです。また、乳房が小さい方や痩せ型の方は、圧迫時に痛みを感じやすい傾向があります。

痛みを和らげる方法

検診当日にできる工夫があります。リラックスすることが何より大切です。緊張すると体が硬くなり、痛みを感じやすくなります。深呼吸をして、肩の力を抜きましょう。

また、検査技師に「初めてです」「痛みが心配です」と正直に伝えることで、よりていねいに対応してもらえます。我慢せずにコミュニケーションを取ることが、安心して検査を受けられるコツです。

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乳がん検査の流れ:何をするのか、時間はどのくらいか

検診当日の流れ

  1. 受付・問診(5〜10分)

まず受付で問診票に記入します。既往歴、家族歴、生理周期、授乳経験などを記入します。気になる症状があれば、ここで伝えましょう。視診や触診も含めた診察が行われる場合があります。

  1. 着替え(5分程度)

上半身の服を脱ぎ、検査着に着替えます。東京桜十字では、機能性と着心地を追求したオリジナルの健診ウェアをご用意しています。アクセサリーや金属類は外します。制汗剤やパウダーも画像に影響するため、検診当日は使用を控えましょう。

  1. マンモグラフィ撮影(10〜15分)

検査室に入ると、専用の撮影装置があります。検査技師が乳房を装置の台に乗せ、透明な圧迫板でゆっくりと挟みます。片方の乳房につき、通常2方向(水平・斜め)から撮影します。両方の乳房で合計4枚撮影するのが標準的です。

圧迫時間は1回につき数秒程度です。「息を止めてください」と言われたら、撮影は数秒で終わります。この短い時間だけ我慢すれば大丈夫です。

東京桜十字では、低線量で受診者の負担に配慮したマンモグラフィ装置を導入しています。

  1. 超音波検査を追加する場合(10〜15分)

マンモグラフィと併用して超音波検査を行う場合もあります。こちらは乳房にゼリーを塗り、プローブという機器を当てて検査します。痛みはほとんどありません。

  1. 着替え・結果説明(5〜10分)

検査が終わったら着替えて終了です。東京桜十字では、撮影後専門医によるダブル読影を行い、後日結果を郵送します。

精密検査が必要になった場合の流れ

マンモグラフィやエコー検査の結果、要精密検査と判定された場合は、さらに詳しい画像診断や組織検査(生検)が行われます。精密検査は保険診療となり、確定診断を目的として実施されます。

東京桜十字では、検査の結果「要再検査」等の判定となった場合、再検査・確定診断から治療まで一貫して対応できます。より高度な検査や専門的な治療が必要な場合は、連携先の病院を紹介いたします。

乳がん検査の費用について:いくらかかるのか

年齢別の費用の違い

乳がん検査の費用は、年齢や自治体によって大きく異なります。

40歳以上:自治体の補助で無料〜2,000円程度

40歳以上の女性には、多くの自治体が2年に1度の乳がん検診を補助しています。自己負担は無料から2,000円程度で受けられることが多く、自治体から検診クーポンが送られてくる場合もあります。

例えば、全国健康保険協会健保(協会けんぽ)の場合、検診機関によって多少異なりますが、40〜48歳の偶数年齢の方は最高1,700円、50〜74歳の偶数年齢の方は最高980円の自己負担額で乳がん検診を受けることができます4)

さらに、厚生労働省では無料クーポンを配布しており、40歳女性は乳がん検診を無料で受診できます。

40歳未満:全額自己負担で3,000〜10,000円程度

自治体の補助対象外の年齢では、全額自己負担となります。マンモグラフィのみなら3,000〜5,000円程度、超音波検査を追加すると7,000〜10,000円程度が相場です。

自治体の補助制度を活用する

お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。市区町村のホームページや広報誌に情報が掲載されています。自治体によっては、対象年齢でなくても一部補助が受けられる場合もあります。

また、職場の健康診断に乳がん検診が含まれている場合もあります。勤務先の健康保険組合に確認してみると、補助制度が利用できるかもしれません。協会けんぽ、関東ITソフトウェア健保、東振協などの各種健康保険組合の補助が利用可能です。

 

費用を抑えるポイント

自治体の補助制度や各種健康保険組合の補助制度を利用すれば、数千円の負担で済むことがほとんどです。「高額だから」という理由で検診を避ける必要はありません。外食や飲み会の1〜2回分の費用で、あなたの健康を守ることができます。

検診を先延ばしにする心理的なハードルを越える

「いつか受けよう」と思いながら、つい先延ばしにしてしまう。その気持ち、よくわかります。

よくある心のブレーキ

「痛そうで怖い」「忙しくて時間がない」「まだ若いから大丈夫」「結果を聞くのが怖い」。これらはすべて自然な感情です。

でも、考えてみてください。検査の時間はわずか30〜40分、痛みを感じるのは数秒です。一方、検診を受けずに病気を見逃した場合のリスクは、あなたの人生全体に影響します。

一歩を踏み出すために

完璧なタイミングを待つ必要はありません。「今月中に予約する」と決めて、スマホで検索してみましょう。予約さえすれば、あとは自動的に当日がやってきます。

不安があれば、友人や家族に話してみるのもよいでしょう。「一緒に行こう」と誘い合うことで、心理的なハードルがぐっと下がります。

東京桜十字では、空間デザイナー監修の内装やオリジナル調合のアロマの香りなど、あえて病院らしさを排除することで受診者の皆様にリラックスしていただけるよう努めています。快適な環境で、安心して検査をお受けください。

乳がんは女性のがん罹患者数の第1位、死亡者数は第4位です。最新統計では2023年に乳がんと診断された人は103,424人(男性832例、女性102,592例)、死者は16,005人(男性136人、女性15,869人)であり、女性の生命とQOLを脅かす筆頭格の病気です。でも見方を変えると、「罹患」の順位が高くても死亡の順位を下げていますので、言うなれば「戦って勝てるがん」とも考えられ、その勝敗を左右する重要な要素である「早期診断」のためにマンモグラフィを多くの方に受けて頂きたいと思います。

一方、自分で出来る事としては先ほどのリスク要因の逆を行う、すなわち適正飲酒や適正体重を保つことなどに加えて、最近では「ブレストアウェアネス」が推奨されています。これは「乳房を意識する生活習慣」を励行することで、是非参考にしてみて下さい。

参考:乳がん学会WEBサイト「ブレスト・アウェアネス」

https://www.jbcs.gr.jp/uploads/files/citizens/breastawareness_pamph.pdf

 

―監修医師コメント

まとめ:あなたの健康は、あなた自身が守るもの

乳がん検査は、痛みも時間も費用も、思っているほど大きな負担ではありません。

この記事のポイント

  • 痛みを感じるのは数秒、多くの方は「我慢できる範囲」
  • 40歳以上なら自治体の補助で無料〜2,000円程度
  • 生理後1週間が検査のベストタイミング
  • マンモグラフィとエコーの併用でより精度の高い検査が可能
  • 早期発見できれば90%以上が治癒可

「いつか」ではなく「今」、あなたの健康のために一歩を踏み出しませんか。

今すぐお住まいの自治体のホームページで、乳がん検診の情報をチェックしてみましょう。あなたの健康は、あなた自身が守るものです。

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ご予約は⇒健康診断・人間ドック 予約フォーム | 東京桜十字

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参考文献

1)国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

2)日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版」

https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/

3)厚生労働省「がん検診」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html

4)全国健康保険協会 生活習慣病予防健診 検査内容と費用

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/health_promotion/health_checkups/insured/001/

監修者情報

監修

西﨑 泰弘

日本総合健診医学会 理事長.国際健診学会(IHEPA)理事長

東海大学特任教授/同ウェルビーイング研究所 所長

六本木ヒルズ桜十字クリニック予防医療センター長

東海大学Sakura well-being寄付講座 代表

 

執筆

メディカルトリビューン編集部